水槽について
熱帯魚を飼うために色々な水槽が販売されています。
一般的なガラス水槽やアクリル製の水槽、プラケースなど、サイズも30cm程度のものから水族館レベルのものまで豊富です。
水槽は飼育する魚に合せたサイズのものを用意しましょう。
例えば体長30cmを超える大型魚を飼いたいのであれば、将来的に120cm以上の水槽が必要となりますし、小型種を楽しみたいのならば60cm程度の水槽で十分でしょう。

■水槽のセッティングは慎重に
水槽の置き場所はしっかりとした水平の場所に置きます。
一度セッティングしてしまうと移動するのが困難で、万が一にも水漏れを起こした場合、それがアパートだったとしたら、もはや個人の問題ではなく、損害賠償にまで発展しかねません。

自作のろ過を使う場合、L字パイプの繋ぎはしっかりと固定しないと漏水の原因となる。
私はこれで漏水し部屋中水浸しになった経験がある。

■水槽の設置場所
水槽は専用の台に置くのが一番です。
大型になれば重量もかさみ、重さで畳や床が沈んでしまうこともあります。
コンパネにより荷重面積を分散させる方法もありますが、床そのものの強度を上げる訳ではないので、大型水槽の導入には床の補強が必要となる場合もあります。
特にアパートでの管理は慎重を期すこと。
120×60×60水槽では総重量が400㌔近くにもなります。
熱帯魚飼育の基本はまず飼いたい魚の適正水槽サイズを考え、その水槽が部屋に導入出来るかを考えます。
以下に各水槽のおよその重量を記しておきます。
この重量に更に濾過・底砂などの重量が加わりますので、その上で検討してください。
幅×奥行×高さ45×30×3060×30×3660×45×4590×45×45
容量(ℓ)3556120157
120×45×45120×60×45120×60×60150×60×60180×60×60
205272378475577
アクリル水槽について
押し出し板
粘土状にしたアクリルをローラーで押し出して製造した板のこと。
大量生産でき安価であるが、クラックが入りやすく強度的には下記のキャスト板の方が勝る。
キャスト板
各厚さの型にアクリルを流し込み硬化させて製造する。
強度が強くクラックが入りにくい。接着方法は重合接着となるため価格もさることながら時間もかかる。

大型になればなるほど当然水圧が増えるので、全ての水槽が同じ厚さというわけにはいきません。
ここでは一般的な適正板厚を紹介します。

適正なアクリル板の厚さ 幅120×奥行き60以上の水槽の場合
水槽の高さ板厚水槽の高さ板厚
450mm8mm700mm15mm
600mm13mm900mm25mm
接着方法

アクリル水槽の強度を決める要素である板・厚さ・そして接着法。この3つがアクリル水槽の心臓といって良いでしょう。
以下に接着方法をまとめておきました。

溶剤接着
比較的薄い板厚の接着に用いられる。
溶剤を接着部に注入し、アクリルを溶かしながら接着する方法。
強度的には以下の接着法の中で最も劣るものの、10年近い歳月を無事に過ごしているケースもある。
但し粗悪品も多く、接着面からクラックが生じるものもあるので信頼のおけるショップで必ず購入する。
膨潤接着
180cm未満の水槽ではよく見られる接着法で強度的にも比較的優れている。
アクリルをふやかし、そして硬化させて接着する。
メーカーによってはユーザーの混乱を避けるために単に「溶剤接着」と紹介することもある。
どうやら膨潤接着とは板メーカーが業者に対し接着方法を指示する時の専門用語のようである。
重合接着
隙間に原材料を流し込んで製作するので1枚ものの様な強度を得られる。
板厚が20mmを超える大型水槽ではもはや必須の接着方法であるが、それ以下の水槽では膨潤接着でもさほど強度は変わらない。
手間がかかるのでコストが非常に高く、他の接着法と比べても10万円単位の差額が生じる。
しかしながら強度は折り紙つきなので暴れる大型魚の飼育や、超大型水槽でお馴染みの接着方法である。
水槽台について

水槽と同じく大切なのが水槽台と床そのものの強度です。
60cm程度の水槽では気にならなかった事が、大型水槽では大きな問題となります。
水というものは重く、それに加えてろ過や底砂など重量のかさむものばかりです。
我が家で使用している水槽台を紹介しておきます。

125×65×70(幅×奥行き×高さ)材質:2×4住宅用木材 価格:2万円弱

保温・冷却について
保温
温室や1年を通して部屋が26~30℃、なんて部屋をお持ちの方以外はヒーターは必要不可欠です。
ヒーターのW数は水槽サイズに合わせたものを選べば問題ないでしょう。
私の場合、300Wが必要なら150Wを2本使用しています。
一方が故障した場合の予備として利用できるので事故を未然に防ぐ意味でもかなり有効です。
ヒーターの寿命はかなり差があるようです。
サーモスタッドとヒーターの故障は一番稼動する冬場が多いので、その点も常に頭に入れておきましょう。
また、冬は水槽周辺を発泡スチロールや新聞紙で覆うのも効果的です。
これらは節電、そして保温効果が見込まれます。手軽に誰でも出来る対策なので是非ともお試し下さい。
冷却
最近の夏は本当に暑ついです。
水槽の水温もあっという間に30℃を超えることが多くなってきました。
熱帯魚であっても高温が長期間続くと厳しく、高温に弱いノソブランキウスなどは28℃が限界です。
水温対策としては直射日光はもちろん避け、部屋の通気をよくします。たったこれだけの事でも大分違うはずです。
また照明による熱の篭りは照明の高さを上げる。
ガラス蓋を爬虫類ゲージで使用する網などに変える。
お手ごろな通気ファンを使用する。
などで改善されるはずです。
また夏場は積極的にエアレーションを施し、水流を作ることも効果があります。
最近ではクーラー自体も安価になり、お求めやすくなりました。