Neoceratodus forsteri

ハイギョ(肺魚)は、硬骨魚綱・肺魚亜綱(Dipnoi)に属する魚の総称。
肺、肉鰭、歯板、内鼻孔などを持つ分類群で、いわゆる「生きている化石」と呼ばれる生物の一つである。
約4億年前のデボン紀に出現し、化石では淡水産・海産を合わせて100種以上が知られる。
しかし数度の大量絶滅を経て生き残った現生種は全て淡水産で、オーストラリアにネオケラドトゥス属1種、南アメリカにレピドシレン属1種、アフリカにプロトプテルス属4種の計3属6種だけが知られる。
プロトプテルス・エチオピクス
(Protopterus aethiopicus)
ザイール、ヴィクトリア湖などに分布 体長1.5m 推奨水槽サイズ180cm以上
肺魚の中では最も大きくなり迫力&パワーはナンバーワン。
体には斑点・網目模様が入り、観賞魚としても申し分ない。
どの種類も共通して強力な顎を持ち、噛み付かれた場合は大変な手傷を負うことになる。
プロトプテルス・アネクテンス
(Protopterus annectens)
西アフリカ~中央アフリカに分布 体長80cm 推奨水槽サイズ120cm以上
分布域が広いので様々なカラーや模様が存在するので気に入った個体を選びたい。
大き過ぎず小さ過ぎない肺魚である。
エチオピクスとの区別は背鰭の位置(より前方なのがアネクテンス)で見分けられる。
プロトプテルス・アンフィビウス
(Protopterus amphibius)
アフリカ東部に分布 体長50cm 推奨水槽サイズ90cm以上
肺魚の中では小さく50cm程度で可愛いため非常に人気があるが、入荷量は少なく中々お目にかかれない種。
更に強健イメージの肺魚界の中では水質悪化に弱いので極端な水質悪化には注意する。
プロトプテルス・ドロイ(Protopterus dolloi)
アフリカ中央部に分布 体長80cm 推奨水槽サイズ90cm以上
一見すると下記のレピドシレンに似ているが、本種の方が胸鰭・腹鰭ともに長い。
細長い体系で性格は大人しい為に誤解されがちだが、やはり必殺の一撃を秘めた肺魚である。
成長は遅いので次の水槽への段取りがとり易く、小さめの水槽でも長期飼育可能なので人気がある。
レピドシレン・パラドクサ
(Lepidosiren paradoxa)
アマゾン川流域に分布 体長100cm 推奨水槽サイズ120cm以上
南米に生息する肺魚で幼魚時には明るいスポットが散りばめられるが、成長と共に灰色になっていく。
ヒレが短いのが特徴である。
本種は肺呼吸の割合が大きいので溺れない環境を保つように心がける。
性格は比較的大人しいが、やはり肺魚なので大切な種との混泳は避けた方が良いだろう。
ネオケラトドゥス
(Neoceratodus forsteri)
オーストラリアに分布 体長180cm以上 飼育不可
※サイテス 附属書Ⅲ
オーストラリアの肺魚。
自国オーストラリアでは厳重に保護され、ワシントン条約(サイテス)でも規制されている。
日本国内では水族館などで見ることができる。
シーラカンスを彷彿とさせるその姿は悠久の時を過ごしてきた正に古代魚である。
肺魚の飼い方
水槽・蓋について
成魚の飼育にはそれぞれの個体にあったサイズの水槽を用意する。
非常に水を汚すので、広めの水槽の方が水量が多く管理し易い。
成長が遅い種ではかなりの間60cm水槽でも管理可能で、30cmを超えた辺りから各種適応水槽に移動させる。
肺魚のパワーは凄まじい為、アクリル水槽を使用する。
蓋はしっかりとし、飛び出せる隙間はなくす。
割られる可能性のあるガラス蓋は使わずに重石をきちんとする。
肺魚は空気呼吸をする為、必ず水面にスペースを空ける。
ろ過について
水を汚すためろ過はそれ相応の物を使う。
ろ材には目詰まりしにくい多孔質なものを使用し、珊瑚を三分の一ほど混ぜてpHの急降下を防ぐ。
ろ過で特に注意が必要なのは吸水口などを壊されない(動かされない)様にすることである。
肺魚は隙間に入ろう動きまわる為、吸水口などは簡単に動かしてしまう。
吸水口をアクリル版で囲ったり、セパレーターで仕切るなどして水漏れ事故を防ぐこと。
底砂・器具について
底砂はあった方が肺魚自身が落ちくようである。
但し餌と一緒に底砂を飲み込む可能性があるので、あまり細かいものは使用しない。
サーモ、ヒーター、それに準ずるコード類は必ず齧られるので、セパレーターなどでしっかりと保護をする。
水槽内にレイアウトするものは肺魚を傷つけない、動かして水槽を破損させないもの限る。
餌について
幼魚には沈下性の配合飼料や、冷凍アカムシ(解凍後サラサラと少し撒く)を与え成長を早める。
食べるなら残餌処理も兼ねて赤ヒレなどを泳がせても良いであろう。
ここで問題なのが稀に底砂も一緒に食ってしまう個体である。
そんな場合は浮上性の配合飼料を与える、もしくはベアタンクでの飼育に切り替える。
ある程度育った個体には配合飼料を与える。
生きた餌を使用する場合は水を相当汚すのでメンテナンスを怠らないようにする。
メンテナンスについて
水質が悪化すると目が白っぽくなったりヒレや手足が溶けたりする。
どの魚にも言える事だが、水質の維持管理は最重要であり、水換えによってを行うこと。
混泳について
一切不可。
肺魚に齧られれば致命傷を負う。